★夢幻泡影★ (むげんほうよう)

~尽きてゆく魂の詩~

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雨の摩周湖 ~後編~

初夏の間、長野県で高原野菜の収穫の
アルバイトをして稼いだ金を握りしめて、
わたしは、北海道一周の旅に出た。

九州育ちのわたしは、北海道というのは
さぞかし涼しかろうと、期待していた。
しかしその期待は見事に裏切られた。

その夏の北海道は、記録的な猛暑で、
連日35度を超える日々が続いていた。

函館に上陸した後、北海道を反時計回りに、
室蘭、苫小牧、襟裳岬へ。さらに釧路から
厚岸を経由して納沙布岬へ。それから根室
半島を一周して、標津経由で知床岬へと。

クルマは、走りに走った。

陽が沈めば、そこにテントを張りメシを食って、
寝る。陽が昇れば、起きてメシを食って、再び
走りはじめる。

081.jpg

今だから告白するけど、わたしは宗谷岬まで
行ったら、実は、そこで自殺するつもりでいた。

だから、だれに何の気がねもいらなかった。

お金や、自分の体調はもちろんのこと、
人の迷惑など一切、気にする必要がない。

本州や九州・四国のものとはまったく違う、
北海道の自然は、どこまでも雄大であり、
深遠で、神秘的で、そして美しかった。

しかし、わたしの心は、殺伐としていた。

どこまでも追いかけてくる台風には、
さすがに辟易したけれども、自決を
覚悟した人間にとっては、それも
大した問題ではないように思われた。

納沙布岬と知床岬で、とりあえず、
「北方領土返せ、バカヤロー!」
と叫んでから、摩周湖・屈斜路湖へ、寄り
道をしてから、網走へと向かうことにした。

日本一の透明度( かつては世界一だったという )
を誇るという摩周湖へ行くのを、わたしはとても
楽しみにしていたのだ。が・・・

083.jpg

摩周湖は、雨だった・・・

わたしは暗澹たる気分で、雨に煙る摩周湖を
いつまでも、いつまでも見つめ続けていた。

たとえば、今年の夏の甲子園。
鶴崎工業が、早稲田実業の前に無残な大敗を
喫してしまったのは、まぁ、想定の範囲内。
だが、春の選抜の覇者横浜が、大阪桐蔭に
惨敗を喫してしまったのは、予想外だった。

これが、勝負というもの。
人生は、すべてが「運」。

「運」とは、すなわち「タイミング」なのだ。

わたしが摩周湖に来ることなど、おそらく
一生のうちで、一度しかないに違いない。

その、たった一度が、雨、である。

日程があと一日ズレていたら、もしかしたら、
晴天で、絶好の景色が見られたかもしれない。

しかし、その日は「タイミング」悪く、雨。
「雨の摩周湖」は、暗く陰鬱で、まるで
ドブの池のようにしか見えなかった。

そして、これから先、わたしの中で摩周湖の
風景は、もう、一生涯、雨であり続けるのだ。

わたしは、「運」が悪い。

わたしは摩周湖のほとりで、傘もささずに、
濡れるがままに、ボンヤリとそんなことを、
考えるともなしに、考えていた。

082.jpg

それ以来、「雨の摩周湖」は、わたしの
「運の悪さ」の象徴として、わたしの
心の奥に、深く刻まれることになった。

今にして思えば、超ネガティブ思考であるが、
当時、わたしは人生に絶望していたから、
それも、仕方のないことだったかもしれない。

最近はというと、わたしは「運」が良いとか、
悪いとか。そんなことに、あんまり一喜一憂
することが、少なくなくなった。

「長い人生、晴れの日もあれば、雨の日もある」

それは、わたしが、「運」が悪い場面に出くわす
たびに、必ず思い出す、「雨の摩周湖」が教えて
くれた、わたしの大切な人生訓である。

ところで、この記事を書くために、パソコンで
「摩周湖」を検索していたら偶然、次のような
記述を発見した。

「摩周湖の付近は、地形的に、天気が悪く、霧が
発生しやすい地域であり、旅行者の間では( 霧の
出ていない )晴れた摩周湖を見ると、『出世でき
ない』、『結婚できない』、といったジンクスがある」


・・・ということは・・・?

  1. 2006/08/08(火) 10:50:46|
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知床岬知床岬(しれとこみさき)は、北海道北東部、網走支庁管内斜里郡斜里町遠音別村岩尾別に位置し、知床半島先端としてオホーツク海に面した岬。北緯44度20分43秒、東経145度19分47秒。*岬上は標高30~40mの台地で、周囲は断崖。地名はアイヌ語の「シリエトク」(大地の
  1. 2007/10/07(日) 04:59:16 |
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久留米大学附設高校中退。大学検定試験を経て、早稲田大学第一文学部卒。中学校講師を依願退職後、フリーに。現在、エッセイスト・株式投資家・小説家・心理学者。

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